FreeBSD 2.2.8R Mail コマンドの mailx 拡張パッチ 作成 小金丸信幸 E-Mail: kogane@koganemaru.co.jp 作成日 平成9年(1997年)07月30日 (水) 第02版 修正日 平成9年(1997年)08月02日 (土) 第03版 修正日 平成9年(1997年)10月16日 (木) 第04版 修正日 平成10年(1998年)07月11日 (土) 第05版 修正日 平成11年(1999年)01月20日 (水) はじめに SYSTEM V UNIX の mailx コマンドはバークレー版の Mail を改造して 作られたのですが、バークレー版の Mail にない、種々の機能が拡張 されています。 本パッチはバークレー版の Mail コマンドを SYSV の mailx 同様に 機能を拡張するものです。 1) ソースファイルの準備 FreeBSD 2.2.8R の /usr/src/usr.bin/mail 以下のファイルを準備します。 mailx.v05.patch ファイル 2) 拡張機能 o ヘッダー情報の編集 Mail ではヘッダー情報 To:, Subject:, Cc: 等は編集できませんが これを編集できるようになります。また、Reply-To: などの RFC で定義されたヘッダーを追加できます。 o ~p コマンドは画面より長いメッセージの場合、画面が流れます。 crt が設定されていれば、PAGER で内容を表示できるようにしました。 o pipe (|) コマンドの追加。 pipe [msglist] [shell-command] | [msglist] [shell-command] メッセージを shell-command にパイプで渡します。 o Save, Copy コマンドの追加。 これは松田 理 (おさむ)@阪大さんのパッチを取り入れたものです。 FreeBSD-user メーリングリスト 「[FreeBSD-users-jp 16459] Re: Is there any Japanized mail command ?」 参照。 o askcc が設定されていれば、メールの終りではなく、最初に問い合わせます。 o askbcc を追加しました。askcc と同様、最初に問い合わせます。 o hs (hsubject) コマンドの追加。 h (headers) コマンドと同様ですが、Subject: のみを表示します。 Subject: が長くて画面に入り切らない時に使用します。 このコマンドはこのパッチ固有のコマンドで(mailx コマンドなどの)一般的 なコマンドではありません。 o チルダエスケープコマンドの追加 これらは 坂本 浩則 さん が作成されたもの です。 ~a 変数 sign に定義された文字列を編集中のメッセージに挿入します。 ~i sign と同じです。 ~A 変数 Sign に定義された文字列を編集中のメッセージに挿入します。 ~i Sign と同じです。 ~i variable 任意の変数 variable に定義された文字列を編集中のメッセージに 挿入します。variable は環境変数でもかまいません。 variable の値は、~/.mailrc にて set コマンドで指定します。 ~x ~q と同じく編集モードを抜けますが、メッセージを ~/dead.letter に保存しません。 例) +---- ~/.mailrc の内容 ----------------------------------------- |set sign="------ 坂本 浩則 ------" |set h="こんにちは。\n坂本です。" +--------------------------------------------------------------- % mail hogehoge Subject: About mailx ~i h (continue) ホゲホゲ ~a (continue) ~e +---- 編集中のメッセージの内容 --------------------------------- |To: hogehoge |Subject: About mailx | |こんにちは。 |坂本です。 |ホゲホゲ |------ 坂本 浩則 ------ +--------------------------------------------------------------- 4) 日本語メールの作成例。 .mailrc の中で、 set VISUAL="elvis -kfjis*" として、日本語対応 elvis を使用して出力ファイルを7ビットJISモードに します。 入力中に ~v と打てば elvis が起動されます。 5) patch を当てる /usr/src/usr.bin/mail 以下のファイルを適当なディレクトリにコピー してください。 cp -rp /usr/src/usr.bin/mail ./mailx cd mailx patch -p1 が作成された ものです。 -- (有)小金丸コンピュータエンジニアリングサービス (福岡県大野城市) 小金丸 信幸 (Nobuyuki Koganemaru) メールアドレス: kogane@koganemaru.co.jp